Glycans for pharmaceuticals

創薬材料としての糖鎖

構造を変えずに、機能を変える。

糖鎖修飾という選択肢で、
分子設計に進化を

糖鎖を付加するだけのシンプルな修飾で、製剤性や体内動態を高めることが可能です。
活性を持つ分子の構造を損なうことなく、薬剤としての性能を高められる、新しい設計の選択肢です。

シンプルな糖鎖修飾の仕組み

当社の糖鎖試薬は、分子の末端にアミノ基、ブロモアセチル基、マレイミド基、NHS基などの官能基を導入することが可能です。これにより、さまざまな分子との結合や修飾がシンプルかつ柔軟に行えます。

タンパク質やペプチドに糖鎖試薬を結合させることで、糖鎖修飾された分子を生成するプロセスを示す模式図。

ご提供可能な官能基例

糖鎖修飾に利用できる、提供可能な官能基と糖鎖末端構造の例を示す一覧図。代表的な化学構造と生成物の例が対応付けられている。

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糖鎖が付与する機能

糖鎖は、その物性によって分子の水溶性血中滞留性生体適合性といった性質に影響を与えることができます。医薬品の機能性を高める上で特に重要なこれら3つの要素を、糖鎖修飾によって最適化することが可能です。

水溶性
血中滞留性
生体適合性

水溶性

糖鎖が持つ高い親水性により、難溶性分子の水溶性を大幅に改善します。

実施例1

難溶性ペプチドに糖鎖を修飾し、水溶性を評価しました。

糖鎖修飾によってHER2ペプチドの水溶性が大幅に向上したことを示す比較画像。

※引用元:Chem. Eur. J., 2023, 31, e202300111.

※データは株式会社糖鎖工学研究所によって取得されました。

血中滞留性

糖鎖のかさ高さとネガティブチャージによって、血中酵素による分解および腎クリアランスを回避し、血中滞留性が向上します。

実施例2

ペプチドホルモンSRIF-28に糖鎖を修飾し、血中滞留性を評価しました。

糖鎖修飾によりSRIF-28ペプチドの血中滞留性が大きく向上したことを示すグラフ。

※引用元:Chem. Eur. J., 2023, 31, e202300111.

※データは株式会社糖鎖工学研究所によって取得されました。

生体適合性

糖鎖は生体内に普遍的に存在する構造であり、糖鎖自体に対する抗体が生じにくいことが知られています。また、シアル酸を介した免疫抑制効果も期待され、生体適合性の高い修飾手法として注目されています。

実施例3

GLP-1アナログであるExendin-4 (Ex-4) に糖鎖を修飾し、抗Ex-4抗体の産生量を比較しました。

糖鎖修飾によってExendin-4の生体適合性が向上したことを示す棒グラフ。

※データは株式会社糖鎖工学研究所によって取得されました。

糖鎖が広げる、モダリティの可能性

糖鎖の付与できる機能は、上記のような基本的な物性改善にとどまりません。抗体やペプチド、ドラッグデリバリーシステム (DDS) といった様々なモダリティと組み合わせることで、分子の目的に応じた、より高度な機能設計が可能になります。

抗体医薬品

抗体医薬品の活性には、抗体に結合する糖鎖の構造が深く関わっています。任意の構造の糖鎖を付加することによって、活性を自在にコントロールでき、抗体医薬品の可能性を大きく広げます。

ペプチド医薬品

ペプチド医薬品はその標的選択性の高さが魅力ですが、体内での分解の速さや投与頻度の多さが課題です。糖鎖を導入することで、プロテアーゼ耐性の向上や体内滞留時間の延長が可能となり、実用性を大きく高めることができます。

ドラッグデリバリーシステム (DDS)

糖鎖は特定の糖鎖受容体に対して高い親和性を有しており、これを活かすことで、腫瘍細胞や炎症部位などへ薬剤をピンポイントで送達できるようになります。糖鎖を活用したドラッグデリバリーシステムは、治療効果の最大化と副作用の最小化を同時に狙えるアプローチです。

Collaboration

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