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気候変動と海洋プラスチックごみ、2つの環境課題に向き合うバイオプラスチック

私たちの暮らしを支えてきたプラスチック。一方で、その原料となる化石燃料の使用に伴う気候変動や、使用後のプラスチックが海洋に流出する海洋プラスチックごみなど、さまざまな環境問題が課題となっています。当社では、こうした課題へのソリューションの一つとして、バイオプラスチックの開発を進めています。

化石燃料の代替・気候変動への対策を具体化

気候変動への対策は世界的な課題です。地球の平均気温は年々上昇しており、地球温暖化によって海水面の上昇や極端な気象災害の発生増加等の問題が引き起こされています。
現在、地球温暖化を抑える取り組みとして、温室効果ガスの排出削減が世界的に取り組まれています。石油等の化石燃料は、化学品の素材や自動車等の燃料として幅広く使用された後、最終的に二酸化炭素に変換されます。産業革命以後、化石燃料の利用によって大気中の温室効果ガス濃度は上昇しており、温室効果ガス排出に寄与しています。
そのため、地球温暖化を抑えるために化石燃料からの転換は重要な課題となり、素材産業においては石油化学製品の代替となる素材の開発が強く求められています。
一方、プラスチックをめぐっては、その原料だけでなく、使用後に自然環境へ流出した際の影響も大きな課題となっています。

海洋プラスチックごみ問題

海洋プラスチックごみ問題とは、人間の活動によって排出されたプラスチックごみが海に流出してしまい、環境や生態系に影響を与えてしまう問題を指します。
自然環境下に排出されたプラスチックごみは、風雨や河川によって最終的に海まで運ばれ、これらのごみは海底に滞留する、海上に浮遊する、海底に堆積するなど様々な場所に散在しています。海洋に流出したプラスチックごみは、自然に分解することがないため増加し続けています。
また、特に微小なサイズのプラスチックごみが引き起こす問題をマイクロプラスチックごみ問題と呼び、海洋生物に摂取されてしまうなどの問題が懸念されています。

マイクロプラスチックごみの発生原因として、日々の洗濯によって衣服から流出する合成繊維の破片や、化粧品や洗顔料などに含まれる微粒子プラスチックが流出すること、また、元々大きな海洋プラスチックごみが波や紫外線などの物理的影響によって微小な破片になることが考えられています。
このように、プラスチックには「化石燃料への依存」と「自然環境へ流出した後の残留」という、ライフサイクルの異なる段階における課題があります。当社では、原料と廃棄後の両面から環境負荷の低減を目指した素材開発に取り組んでいます。

当社のソリューション技術

当社開発品のバイオプラスチックは、植物由来の天然物質を原料として使用しています。 植物は光合成で大気中の二酸化炭素を吸収して成長するため、バイオプラスチックが廃棄後に二酸化炭素として排出されたとしても、大気中の二酸化炭素の総量は増加せず、二酸化炭素の排出削減に寄与することが期待されます。

また、当社のバイオプラスチックは植物由来の天然物質を原料として微生物の発酵プロセスにより生産されます。常温・常圧で省エネルギーの発酵プロセスとなるので、環境にやさしい生産方法です。
さらに、当社が開発を進めるPHBは、バイオ由来という特徴に加えて、海洋環境に流出した場合の課題にも対応できる可能性があります。
当社の開発品である海洋生分解ポリマーは、海洋中に存在する微生物により二酸化炭素と水に分解される特徴があります。従って、海洋に流出してもプラスチックごみとして海に残留しません。
また当社の海洋生分解ポリマーは、原料として植物由来の天然物質を使用しています。
つまり、植物由来原料を利用することで化石資源への依存を低減するとともに、万が一海洋へ流出した場合にも、海洋中で分解される素材を目指しています。
当社のバイオプラスチックは、バイオ由来や海洋分解性の特徴だけでなく、実際の使用性にも優れています。熱可塑性樹脂であり加工がしやすいことから、ボトルや包装材、自然環境で使用するフィルムや化粧品中に配合される微粒子等、様々な形状に加工して使用することが期待されます。
当社は、気候変動と海洋プラスチックごみという二つの環境課題に対し、原料、生産、使用、そして使用後までを見据えた素材開発を通じて、新たなソリューションの提供を目指しています。