サステナビリティ

カーボンニュートラルに向けた取組み

GHG排出量

当社は、「サステナブル経営」を推進するためにステークホルダーの皆様へ「7つの約束」を宣言しております。その内の1つである「環境への負荷低減を意識した事業活動を行うこと」の具体的な取組みとして、当社におけるGHG排出量の削減を経営目標に設定するとともに、製品のライフサイクルにおいて環境負荷の低減に貢献しています。

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、2030年に2017年度比で30%削減する目標を掲げ、その目標を第5次中期経営計画期間中に前倒して達成することを目指しています。プラント高度制御システムの活用、自家発電設備の更新、CO2回収装置の導入などにより、2024年度時点で2017年度対比21%減を達成(省エネ法ベース)。さらに、当社の特長であるCO2を原料として消費している分も考慮すると、29%減まで進捗しました。

また、製品のライフサイクルにおける削減貢献として、環境に優しい冷媒に用いられる冷凍機油原料を供給することで、世界中のエアコンにおけるGHG排出量の削減に大きく貢献しています。

※TCFD提言に伴う情報開示は、こちらをご覧ください。

現在の進捗

機能性材料の強化など、数量よりも付加価値を重視した事業構造へ転換を進めてきた結果、生産数量の減少によってGHG排出量も減少。これに加え、自家発電設備の更新やプラント高度制御システムの導入拡大など省エネ施策の強化により、2024年度は2017年度比で約29%削減となりました。

今後の方針(戦略)

2025年、千葉工場で新たなCO2回収装置が稼働したほか、高度制御システムのさらなる活用などによる省エネ推進により、2027年に2017年度比30%削減の実現を目指します。

当社の温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1+2)

2017年を基準としたGHG排出量(Scope1+2)の推移図。省エネ活動や設備更新、CO2利用などによる削減効果を示し、排出量が474千t-CO2から2024年度に337千t-CO2まで減少。2030年に30%削減、2050年カーボンニュートラルを目指すことを表している。
(注)省エネ法ベースでの2024年GHG排出量は下記参照

GHG排出量削減に向けた取組み

千葉工場自家発電設備の更新

千葉工場では、2021年3月に自家発電設備を更新しました。設備更新に伴い燃料の見直しを行い、これまでの自家発電設備に比べて千葉工場全体で排出するCO2の15%を削減できました。

プラントの高度制御システムを導入

化学プラントには多くの配管が張り巡らされており、原料や製品の流量を常に微調整しながらプラントを安全に運転しています。「高度制御システム」は、AI技術等を駆使して温度や圧力など様々な条件を考慮した、適切な条件を自動的に推定し、調整する最新鋭のシステムです。このシステムを導入したことで、製造ロスを最小限に抑えることができ、省エネ運転を実現することができました。

引き続き、導入プラントを増やし、更なる省エネを進めることでCO2の削減を推進していきます。

原料としてCO2を使用

当社のコア技術であるオキソ反応(ヒドロホルミル化反応)は、各種オレフィンなどの原料と一酸化炭素(CO)と水素(H2)を反応させ、アルデヒドを合成する反応です。このCOとH2の製造工程でCO2を原料として使用しており、CO2の有効的な利用方法として実際に工業化されている反応のひとつです。他社で発生したCO2を回収して原料とするほか、自社で発生したCO2も一部回収しており、製造プロセスにおいて発生するCO2の削減にも貢献しています。

GHG排出量(Scope1、Scope2)の推移(当社単体)

単位:千t-CO2

年度 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024
Scope1 390.6 383.6 372.6 321.5 360.7 327.8 328.1 318.4
Scope2 83.0 65.4 67.6 82.6 61.7 51.2 50.3 56.5
合計 473.6 448.9 440.2 404.2 422.4 379.1 378.4 374.9

※1 省エネ法に基づく報告数値

※2 政府へのGHG排出量報告窓口に確認の上、2021年度から、当社の製造工程において発生したCO2を回収し、製品の原料として利用した分をGHG排出量から控除

※3 小数点第2位以下四捨五入

GHG排出量(Scope1、Scope2)の推移についての棒グラフ化したもの

サプライチェーン全体での環境負荷低減を目指して

Scope3における当社GHG排出量のうち、約8割がカテゴリ1「購入した製品・サービス」によるものです。その大部分は調達した原料に由来していることから、調達先のコンビナート各社などと連携を深め、サプライチェーン全体での環境負荷低減に取り組んでいきます。

当社の温室効果ガス(GHG)排出量(Scope3)

2024年度のGHG排出量(Scope3)の内訳を示す円グラフ。総排出量1,075千t-CO2のうち、購入した製品・サービスが77.3%と最大で、資本財8.4%、エネルギー関連活動5.9%、輸送・配送4.2%、廃棄物4.1%などが続く構成比を表示している。
集計期間: 2024年1月~12月(カテゴリ3,5は2024年4月~2025年3月)

GHG排出量(Scope3)の推移(当社単体)

単位:千t-CO2

カテゴリ カテゴリ名 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
カテゴリ1 購入した製品・サービス 1087 818 853 831
カテゴリ2 資本財 18 57 34 44
カテゴリ3 Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 69 61 60 63
カテゴリ4 輸送、配送(上流) 35 24 43 45
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 1 1 2 1
カテゴリ6 出張 <1 <1 <1 <1
カテゴリ7 雇用者の通勤 <1 <1 <1 <1
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 121 92 92 90

※1 集計期間は2024年1月~12月(カテゴリ3,5は2024年4月~2025年3月)。なお、2021〜2023年も同一の集計期間設定により算出。

※2 小数点以下四捨五入